カリキュラムと教育内容
概要
人間の社会やビジネスは、高度化した技術に加えて利害関係などのソーシャルな面も絡み合う複雑なシステムです。システムデザインスクールでは、モデリング、シミュレーション、データ分析の手法を用いて利害関係や技術機能を明らかにしながら、社会システムや技術システムのあるべき姿を描くシステムデザインと、その実現の道筋を描くプロジェクトデザインを学びます。本コースでは、複雑なシステムの事例としてモビリティシステムを扱います。
モビリティに関しては、現在自動運転の技術開発やビジネスモデル確立の取り組みが国を挙げて進められています。また、運輸部門における気候変動緩和目標を達成するための脱炭素化が国際的に加速しています。モビリティの自動化や、カーボンニュートラル(CN)に向けたエネルギーキャリア・燃料の転換は、将来のモビリティシステムに大きな影響を与えます。このような世の中の動きのために、自動車や船舶、航空機といった輸送機器のメーカーやサプライヤー、また陸海空の交通(人流・物流)を担う企業にも、モビリティの将来を見通すことが非常に困難です。
以上の背景から、本教育プログラムは以下に取り組みます。
(1) 自動化やエネルギートランジションによる大きな不確実性が存在する将来のモビリティに対し、システム思考や関連する手法を利用してビジネスやプロジェクトをモデル化し、具体的な将来像を示す方法
(2) シミュレーション結果や収集したデータに基づき、大学や研究機関とともに取り組む先端的なモビリティ技術の開発・社会実装プロジェクトをデザインする手法
授業実施日と会場
参考書
参考書
システム思考がモノ・コトづくりを変える: デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法
利害関係やシステムとしての分析に基づいたモデルによる意思決定支援の概論を述べた一般書。
System Architecture: Strategy and Product Development for Complex Systems
システムの設計方法論についての背景知識が網羅的に書かれた英語の専門書(MIT-SDMの教科書)。
System Architecture: Strategy and Product Development for Complex Systemsの翻訳書。