カリキュラムと教育内容

カリキュラム
Program of System Design School

夏季コース(日本語・国内実施プログラム)

カリキュラム

アドバンストシステムデザインコース英語MITへの3か月の派遣を含む

10月-1月は都内にて水曜午後から夕方の演習

3月-5月はMITに滞在

詳細は今後公開

演習成果物
Deliverables

システム設計学国際演習の成果物

関連知識を習得しながら講義の中で3-4人のチーム作業により作成した成果物を紹介します。105分*7回の時間内で作成しています。

この講義の中では、各チームが設定した課題に関するステークホルダーを明示し、その要求・期待を記述します。その後、要求を満たすことのできる技術システムのデザインをいくつか提案し、不確実性による影響を想定した簡易なシミュレーションにより望ましい選択肢を選出するという流れを一通り体験します。

動画アップロードサイトのユーザー数を維持するための投資ポリシーの検討。

予防接種人数と感染者や経済活動の関係のシミュレーション。

北極海航路利用の便益を高めるための運用ルールを検討するシミュレーション。

国際協定により国際海上物流における二酸化炭素排出量を削減の検討。


受講内容を発展させた成果

3か月のMITへの派遣を伴うプログラム修了生の成果を、社会人受講生や協力した博士課程の学生が研究論文としてまとめた成果物を紹介します。社会システムの課題解決を指向したイノベーティブなアイデアを、利害関係の分析に基づく要求定義と、要求に関する社会の振る舞いをシミュレートするモデルを開発することで定量的に評価します。このプロセスを経ることで、単なる着想であった新しいアイデアを

海事産業のステークホルダーの意思決定の相互作用を踏まえ、自動運航船の実装・普及を大幅に加速させる可能性があることを明らかにしました。意思決定の相互作用をモデル化した自動運航船導入シミュレーターを構築し、実証事業への補助金や規制緩和等の組合せによる自動運航の導入・普及の違いを検討した世界でも先駆的な事例です。本シミュレーターで実証したシミュレーションベースのアプローチを政策決定者や企業の意思決定に活用することで、新しい技術がもたらす社会実装・変革イメージを明確に示し、その導入に向けた合意形成プロセスを後押しすることが期待されます。

Nakashima, T., Moser, B., & Hiekata, K. (2023). Accelerated adoption of maritime autonomous vessels by simulating the interplay of stakeholder decisions and learning. Technological Forecasting and Social Change, 194, 122710. https://doi.org/10.1016/J.TECHFORE.2023.122710

社会インフラは自然災害やパンデミックなどの脅威によって一時的に機能不全になる可能性があり、病院船などの海上対応が注目されています。この研究では、緊急時と通常時の両方の価値を考慮して、フレキシブルに利用できる病院船のコンセプトデザインを提案し、評価しました。船の種類、サイズ、航行範囲、緊急時の運用、契約手法の最適な組み合わせを検討し、平常時の経済効率も検討しました。

Hirayama, S., Ichinose, Y., Wanaka, S., Moser, B., & Hiekata, K. (2023). Dynamic capabilities of maritime infrastructure: conceptual design of merchant vessels with usability in crisis. Journal of Marine Science and Technology. https://doi.org/10.1007/s00773-023-00932-x

社会で重要性が増しているデータセンターは地球温暖化の原因ともなっています。本研究は、東南アジアの成長に対応するための発電機能を備えたデータセンターシステムのコンセプトを提案しました。環境性に加え異なるステークホルダーのニーズ分析で重要とみなされた拡張性に注目し、洋上固定風力発電設備を備えた洋上データセンターが陸上のデータセンターよりも環境性と拡張性の観点で高いポテンシャルを持つことを示唆しました。

Ichinose, Y., Hayashi, M., Nomura, S., Moser, B., & Hiekata, K. (2022). Sustainable Data Centers in Southeast Asia: Offshore, Nearshore, and Onshore Systems for Integrated Data and Power. Sustainable Cities and Society, 81, 103867. https://doi.org/10.1016/J.SCS.2022.103867

教科書および参考書
Textbooks and reference book

教科書および参考書

システム思考がモノ・コトづくりを変える: デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法

利害関係やシステムとしての分析に基づいたモデルによる意思決定支援の概論を述べた一般書。

System Architecture: Strategy and Product Development for Complex Systems

システムの設計方法論についての背景知識が網羅的に書かれた英語の専門書(MIT-SDMの教科書)。

システム・アーキテクチャ複雑システムの構想から実現まで

System Architecture: Strategy and Product Development for Complex Systemsの翻訳書。